白鷺の剣~ハクロノツルギ~
◇◇◇◇◇◇◇◇◇

その日の夜。



「うまー!」

「良かった!宗太郎は美味しそうに物を食べるね!」

宗太郎は満面の笑みで私を見た。

「柚菜がよそってくれた飯だし、柚菜が注いでくれた酒だぜ?美味いにきまってる」

白鷺の家で、私達三人はささやかな飲み会を開いていた。

明日からは刀作りにはいるから、二人とも気が抜けないし、忙しくなる。

白鷺は私に視線を合わせることなく、静かに飲んでいる。

私も白鷺の顔を見ることはなかった。

てゆうか、見れない。

「ところでお前ら、喧嘩でもしたのか?」

酒を注ぐ白鷺の手が僅かに止まる。

私は焦って口を開いた。

「喧嘩?!喧嘩なんかするわけないじゃん。違うの。あのね、私具合が悪くなっちゃって、それだけ」

……小学生か、私!

けど、うまい言い訳なんてまるで思い浮かばないんだもの。

「そ、そんな事よりさ、宗太郎。明日の夜中も仕事?もしそうじゃないなら、一緒に寝て!」

白鷺が私を見たのが分かった。

コロンと、宗太郎が盃を手から取り落とした。

口も思いきりポカンと開いている。

「あ」

私は咳払いをすると、宗太郎の手に盃を持たせて、酒を注いだ。
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