そこにいた
トイレで戻したからか、寒気はするけど気持ちはすっきりしていた。
体の重いのと怠さは変わりない。
「服部さん?」
看護師さんに聞かれ頷くと第一診察室に案内された。
あ、武田先生のところではないんだ。
そう思いながら下を向いて診察室に入った。
「こんにちは、今日はどうされ・・・・・・!?」
ん?この声。
そう思いながら顔を上げると、そこには亮先生が座っていた。
亮先生も驚いた顔で私を見ている。
体調はピークを迎えるんじゃないかと思うほど悪くなっていたけど、努めて笑顔になった。
「へへ、風邪引いちゃった。」
「座って。」
驚いた顔から、すぐに医者の顔をなると、亮先生がカルテを見ながら私にいくつか質問をしてくる。
「昨日の朝から体が怠いってあるけど、他に寒気とか吐き気、頭痛や胸の痛みはあるかな?」
頭痛以外は当たってます・・・・・・。
でもここは、今日帰れる方向に持っていかないと。
「寒気はあるけど、他にはなにも。」
「うん、わかった。」
亮先生は素直に私を信じてくれた。