そこにいた
「お母さん、すいません。
つい僕も気持ちが高ぶってしまいました。」
そう言って亮先生は頭を下げた。
もうどうでもいい。
「先生は綾子が倒れてから、集中治療室にいる間、ずっと綾子のそばについていて下さったのに、本当にこんな生意気なことを言って、すいません。」
ん?それはどういうこと?
ずっと私に着いていたって?
なんでそんなたかが担当患者にそんなことするの?
そんなことしたって、私は移植したことを許さないから。
「綾子っ!
謝りなさい!!!」
「・・・・・・。」
「綾子っ!!!」
「一人になりたいの。せっかく来てくれたけど、今日は帰って。」
そういうと、お母さんはとてと悲しそうな顔で私を見つめた。
亮先生もお母さんも部屋から出て行った。
はぁ。
一人残された部屋で、真っ白い天井を見つめる。
傷が痛む度に、移植されたことを悔しく思う。
どうしてこんな体なんだろう……。