Disposable
やはりバニング達を探していたのか。

疫病神を抱え込んでしまったものだ。

内心舌打ちをしつつ。

「ここは只の村よ。そんな連中は見かけていないわ」

ハルは答えた。

バニング達を庇うつもりはない。

しかし捕らえていると答え、村の中に入られ、保管している銃火器を発見されると後々面倒な事になる。

早々に立ち去ってもらう方が都合がよかった。

「本当だろうな、隠すと為にならんぞ」

再び問う上級下士官。

「しつこいわね」

気丈にハルは言い返す。

「そんな脱獄囚庇って、私達に得なんかないわ」

「…それもそうだな」

考えた後、上級下士官は踵を返し。

「反政府ゲリラのアジトの可能性もある。中を捜索しろ」

部下達に命令した。

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