かわいいあなたにマフラーを
「そうなんだ、どっちも合いそうだね。

そうだ、静谷さん、もう遅いよ?
ほら外真っ暗。
まだ帰らないの?」

緑木の言葉に、静谷は窓の外を見て、それから時計を見た。
そして、あっと小さく声をあげた。

「いけない、ついつい没頭しちゃってた。わたし、帰らなくちゃ」

慌てて毛糸と編み棒を袋にしまって、立ち上がる静谷。
その姿を眺めていると、緑木と目が合った。

「笹野、送ってあげなよ?
もう暗いし、女の子一人じゃ心配だ」

「なっ……!」

い、いきなり二人っきり?
え、マジで?
送るのは全然良いけど、意識してる女の子と二人ってのは、緊張するな……。
だからって緑木が送るのも……。
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