かわいいあなたにマフラーを
「勿論! 嬉しい!
どんなマフラーだろ、楽しみ!」

俺は嬉しくて嬉しくて、ニヤニヤが止まらなくなっていた。

「笹野君って教室ではクールに見えるのに、本当は結構表情豊かなんだね」

くすくすと、静谷は笑う。

「嬉しいんだよ、本当に。
大好きな静谷が俺のために、マフラーなんて……」

自然とさらっと出てしまった言葉に、俺も静谷も赤くなってしまった。

「き、今日は俺、口が素直みたいだ、うん……」

ははは、と笑って頭をかいて、また歩き出した。
彼女の手をしっかり握って。
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