かわいいあなたにマフラーを
てことは、昼に編んでいた青いマフラーは、俺のじゃなかったのか……。

……ムカムカ、する。

「ねぇ静谷、忙しいんなら、俺のマフラーは、いいよ?」

折角朝、幸せな気持ちで名前で呼んだのに、敢えて苗字呼びに戻して俺は言う。

「どうして? 忙しく、ないよ?」

彼女はきょとんと、俺を見上げた。

それはいつもどおりに穏やかで可愛い顔だけど、今の俺はその顔が直視出来ない。

無邪気にそんな顔、するなっ!
俺の気持ちを察しろ。


「律君と春樹とやらに、作ってやれよ。
彼氏である俺以外に、どうしてそんなに男に媚びてるんだよ!」


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