※小悪魔男子が可愛すぎて困る!


切なそうに顔を歪め、首を傾げる結城くんに胸がきゅんとなる。



好きで、大好きで……伝えても伝えきれない。



結城くんが涙を拭いてくれるが、私の瞳は涙を止める方法を知らない。



口を開けば出てくるのは嗚咽だけで、子供のようにただただ泣きじゃくることしか出来ない。



「でも、無理だった…。今まで、逃げてばっかりでごめんね。俺と付き合ってください」



困った表情で申し訳なさそうに、私の目をしっかりと見つめてくる。



「ヒクッ…も、もちろんだよ。ていうか、ゆ、結城くんが…結城くんが好きって言ってくれた」



「いや、言ってないけど」



「……えっ?!」



「ごめん、うそ。大好き」



そう優しく微笑んでくれる結城くんが、今までの関係からじゃ想像がつかなくて、信じられないくらい嬉しい。



だから本当は、全部夢なんじゃないかってすごく心配になる。



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