イケメン副社長にほだされました
結局一日中集中出来なくて、姿勢を保つだけで精一杯だった。
何でもないって言ったくせに、美咲ちゃんには迷惑を掛けてしまった。
もう、だめだめだ私。
退社時刻になると、美咲ちゃんに断りをいれて更衣室に急ぐ。
今日はもう早く帰ろう。
そして、愛理に話を聞いてもらおう。
それからいっぱい寝て、いっぱい美味しいもの食べて。
早く、立ち直らないと。
会社から出ると、冷たい風が肌に染みる。温暖化で例年よりは暖かいことは事実だけど、さすがに12月の風は冷たい。
首元が寒くて、一つに縛っていた髪の毛を解いていると何だかいつもと様子が違うことに気付く。
なに?なんだか、女子が色めき立っている気がする。
皆の視線の先を辿る。
「ーーー沙耶香。」