イケメン副社長にほだされました
「っし、んじ…。」
濃紺の仕立ての良いスーツを着こなし、会社の入り口前の道路に停めてあるいかにも高そうな車に体を預けて、人目を集めながら私を睨みつけるような目でみている。
ああ、この車知っている。
この前テレビの芸能人愛車特集で見た。
確か、メルセデスベンツeクラス。
艶やかなブラックがいかにも真司らしい。
思わずそのなだらかな車体に見惚れていると、真司が近づいて来ていた。
目の前まで来ると、黙って私の腕をとる。
真司が触れている腕が、熱い。
「何で…。何で真司が居るの?
何で会社まで来たりするのよっ…。」
必死で声を絞り出してるっていうのに、真司は何も答えずに、私の腕を掴んだまま歩き出す。
「ちょ、ちょっと!」