イケメン副社長にほだされました
「なあ、やっぱり副社長変じゃね?」
「…うん。」
隣の席の岡崎ちゃんに副社長室を見ながら言う。
そこには、ディスクに頬杖をついて一点を眺める副社長の姿。かれこれ一時間弱、その姿のままである。
「絶対なんかあったでしょ、あれ。」
気付けば俺たちの後ろでコーヒーを啜っていた社長も気になっていたらしい。
「何か知らないんですか?」
「いや、朝以来話してないから。全然見当もつかないし。」
社長が分からないんじゃ、俺たちには到底分かりっこないな。でも、本当に様子がおかしい。
―――ガチャ。
見ていた方向のドアが開いた。副社長室のドアだ。
「岡崎、コーヒー。」
「っはい。」