イケメン副社長にほだされました
岡崎ちゃんが給湯室に行ってコーヒーを煎れに行った。
岡崎ちゃんのことだからついでにみんなの分も淹れてくれるはずだ。
つい先日大きなプロジェクトを終えたばかりのわが社は、最近はちょっと減速営業中。
とはいっても、夜中までの残業や休日返上出勤のあのころに比べては、だが。
岡崎ちゃんがコーヒーを持ってきてくれるころには、皆雑談モードに入っていた。
これも先日のプロジェクトが大成功したおかげだ。
「大丈夫か?なんだか上の空みたいだけど。」
「…あぁ、悪い。」
やっぱり上の空の副社長。
「どうしたんですか?失恋ですか?」
「おい、中津じゃねえんだから副社長がそんなことでここまで影響されるわけないだろ?」
上田さんに即突っ込まれた。
そりゃそうだ。あの仕事に超ストイックなうちの副社長が恋愛で、仕事をないがしろにするわけが…
―――パリン。
鈍い音。それは副社長が床にコーヒーカップを落として割った音だった。