イケメン副社長にほだされました


「中津…。」


社長さんのその言葉に、真司が中津さんへと視線を移す。


その目は威圧感たっぷりだけど、どこかトロンとしている。真司も相当呑まされたらしい。


結局中津さんは他の社員さんに、真司の元へと連行されて行ってしまった。


「沙耶香さん。」


その声に隣に目を移せば、社長さんが優しい顔でこちらを見ていた。


「ごめんね。こんな騒がしい場所に連れてきてしまって。」

「い、いえ。」

「よく言いますよ。社長が紹介しろ、紹介しろってしつこく言ってたじゃないですか。」


岡崎さんが茶化すように言うと、社長さんが慌てて弁解した。


「人聞き悪いな。俺は、個人的に紹介しろと言ったんだ。こんなたくさんの社員の前に連れてこいとは言ってない。
それに、真司は俺に紹介する分には良いって言ってたんだよ。」

「え?そうなんですか?」

「ああ。それを聞きつけた中津達のせいでこうなったんだ。」


そう、なんだ。よかった。

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