イケメン副社長にほだされました
「沙耶香ちゃん、なんで副社長が彼氏ってこと言ってくれなかったの?」
もう、俺なにも信じられない、と目の前で嘆く中津さんにかける言葉が見つからない。
ああ、本当に申し訳ない。
「そんなの、言えるわけないじゃないですか。中津さんなら尚更。」
「なんでだよ、岡崎ちゃん!」
「だって、中津さんに言ったら一瞬で広まっちゃいそうだし。」
焼酎をロックで煽る岡崎さんは、ここにいる誰よりも男らしい気がする。
「中津さん、ごめんなさい。なかなか言い出せなくって。」
まあ、あの状態で言う気もなかったけど。
ラブラブな状態だったとしても、社員さんにはなかなか言えない。
「じゃあ、お詫びに沙耶香ちゃんの隣の、えっーと美咲ちゃんだっけ?紹介して。」
えー、それはちょっと…。
美咲ちゃんは今フリーだけど、軽々しく紹介なんて出来ないしな。
というか中津さん、結構酔っ払ってる。
これは長くなりそうだな、と重い気持ちになったとき、
「真司ー!中津が沙耶香ちゃんにちょっかい出してるぞ。」
いつのまにか隣に居た社長さんが、真司に向かって言った。