囚われた瞳【琴子さんanother story】番外編2UP
「何それ…私なんかって。怒るよ。
青山さんは、こんなにも、俺の心を鷲掴みにして離さないのに」

鷲掴み…

驚いて見上げると、少し怒ったような表情の荻野君が私を見下ろしている。

怒るよ…て、もう怒ってるじゃん。

「………」

ふっと、強張っていた表情が緩み、凄く…これまで以上に優しい目になった。

荻野君の綺麗な目が閉じられ、唇に触れるだけの優しいキスをした。

待ち望んでいた感触なのに、すぐに離れてしまったことに寂しさを感じ、荻野君を見上げると、

「そんなに目で見ないで。我慢してるんだから…」

「あの…?」

「あーー、もう!」

短くつぶやくと同時に、さっきとは打って変わり、貪るように唇を食べられる。

息が苦しくなって、空気を求めて開いた隙間から、獣のような舌が口内に侵入する。

時々、荻野君が『結衣』と呼ぶ。名前を呼ばれるだけで、胸の奥から、熱いものが込み上げてくる。

身体が…おかしくなりそう。


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