囚われた瞳【琴子さんanother story】番外編2UP
声の方へ振り返ると、肩からカメラバッグを提げた荻野 晴が立っていた。

「荻野君…」

「やっぱり青山さんだ。買い物ですか……って、めっちゃ重そうですね」

そう言いながら、こちらへ小走りで近づいて来る。

重くて地面に置いてあるエコバッグを、ひょいっと持ち上げた。

「えっ…」

驚いて見上げると、人懐っこい笑顔を私に向け、

「運びますよ。青山さん、フラフラしてて、危なっかしい。家は、この近くなんですか?」

「うん。近く……って、ダメだよ。
荻野君は撮影の途中だよね?大丈夫。こうして休みながら行けば、いつか着くから」


「青山さん、たまには頼ってよ。何でも一人でやろうとしないでさ」


そう言って、私の返事を聞かずに、スタスタと歩き出してしまった。


< 19 / 171 >

この作品をシェア

pagetop