囚われた瞳【琴子さんanother story】番外編2UP
私と話をする間も、荻野君は時々カメラを構え、次々と写真を撮っていく。

さっきまで三宝寺池を撮っていたが、今は、カキツバタが咲き始めた沼沢植物群落を撮っている。

真剣な表情でシャッターを切ったかと思えば、あどけない表情で私に話しかけてくる。

今年大学を卒業したばかりの彼は、その童顔とグレーのパーカーに、カーキ色のカーゴパンツというラフな服装のせいで、まだ大学生といった雰囲気だ。

私はといえば、洗いざらしの白いシャツに、ブルージーンズといったオシャレ要素のない服装だ。

私たちは、周りの人たちにどう映ってるんだろう。大学生の弟と歩くお姉ちゃん…かな。はは…

「……さん、青山さん」

「はえっ?」

一人妄想の世界にいた私は、荻野君の声で現実世界に浮上する。

変な声になっちゃって恥ずかしい。




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