虹色ファインダー
それは今まで見た奏次郎の写真とは違っていた。
写って居たのは。
眩しく笑う女の人だった。
肌は白く、頬は淡い桃色で。栗色のボブがとても映えた。
ヒマワリみたい。
そう思うくらい太陽の光が似合いそうな人。
すやすやと眠る奏次郎を横目に見る。
奏次郎は愛しく思うほど良い写真が撮れると言った。
じゃあ、この写真はどんな気持ちで撮ったの?
こんな、今にも愛の溢れ出しそうな写真。
奏次郎がこの人を何よりも愛してるってことが、手に取るように分かる。
この人が奏次郎を凄く凄く愛してることが分かる。
笑顔が、そう言ってる。