Pathological love

「………………そうなんですか。」


美保ちゃんの申し訳なさそうな視線を浴びながら、私はあえて怒った様な顔をした。


「恐らくイベント当日はステージでのモニターには参加すると思いますよ?目立つ所が大好きな方なので。」


「結構加藤ちゃんも毒持ってるね?」


「散々振り回されてるので、私は大嫌いですから。」


あまりにもはっきりと言うものだから、私達は面食らってしまった。


「加藤ちゃ~ん!そんなにはっきりと私達に言っちゃっていいの?!」


「別に大丈夫ですよ!本当の事ですから。本人も分かってると思いますし………フフッ。」


どうやら怖いもの無しの様で、まだまだ、謎の多い彼女に興味が湧いた。


「そう言えば秋山さんのポスター見ましたか?凄く綺麗でつい見いっちゃうんですよ!」


「えっ?完成したんですか?」


「えぇ、今日の午前中に最終仕上がりを見せて貰いました。最初はモデル起用する筈だったんですが、全部秋山さんが描いて動かしてるみたいですよ?凄く幻想的で素敵なんです。2段階にCM撮るみたいで、女性の顔がまだ全部映らないんですよ。それがまた好奇心を煽ってまた見たくなっちゃうんです!」


「えぇ~!見てみたい!!」


「まだ社外秘なので、もうすぐしたら公開になると思いますから楽しみにしていてください。まぁ、多分美鈴さんに似てるから彼女をイメージしてるんだと思いますけど。」


あの日、あんな別れ方をしていたからずっと気になっていた。

むしろ邪魔をしてしまったんじゃないかと悩んでいたけれど、どうやって誤解を解いたらいいのか思いつかずに今日を迎えていたのだ。


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