今すぐぎゅっと、だきしめて。
「裕貴の提案なの。 短くしてみたらって。
迷ったんだけどね?
心機一転。
なんだか、髪型だけじゃなくて
心まで浄化された、そんな気分なんだ」
そう言ってちぃちゃんは清々しいまでの笑みを浮かべた。
てゆーか
美人は、なんでも似合っちゃうんだろうな。
きっとモサッとした爆発的なパーマとかも
似合うと思う。
そんな事を考えていたら
ちぃちゃんは不思議そうに首を傾げた。
わっ!
めちゃくちゃ見つめてた!
慌てて視線を落とすと
あたしは鞄を肩にかけなおしながら
「ハハ」なんて無意味に笑ってしまった。
なんか言わなくちゃ。
ちぃちゃんと話すの久しぶりだ……。
「あ、ゆ、裕貴さんと、順調なんだね!」
って、わああああ!
別に聞きたくないのにぃぃ!
出来れば
裕貴さん
ちぃちゃん
そして、ヒロの話題には触れたくないのに。
今のあたしとちぃちゃんの間には、それくらいしか共通の話題が無いというか。
だから咄嗟に出た言葉も、そんなセリフしか出てこなくて。