今すぐぎゅっと、だきしめて。


少しずつ距離を縮めるヒロに、あたしはそれと同じように後退りする。




……や……だ、だって



目に少しかかっている前髪の隙間からあたしをとらえたままのヒロ。

半開きになった唇から白い歯が覗いている。



ドキン ドキン



その姿は、なんてゆーか

すごく色っぽい……。



あたし、どうしちゃったの?
ユーレイ相手に!


心臓はあたしの思考を無視して、勝手に加速していく。




ドクン
ドクン
ドクン
ドクン




さらに詰め寄られて、足元に何かがぶつかった。





「ぅ…わッ!?」



体はバランスを崩し、視界はみるみるうちに反転していく。


そこはベットの上。



助かった……

またしりもちついちゃうとこだった。
って、安心してらんないってばッ!!

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