強引上司と過保護な社内恋愛!?
「どうぞ」と言ってニコラスのお猪口に食中酒にオーダーした南部美人純米吟醸をお酌する。

これも私のお気に入り。

香り高くしっかりした味なので食事によく合う。

「これも美味しいね!イズミ!」

ニコラスも気に入ったようだ。

初めてお酒好きが何かの役に立った気がする。

「恐れ入ります」私はペコリと一礼する。

「日本の女性、ホントに優しい」

ニコラスに甘く微笑み掛けられて、思わず笑い返す。

「それに黒い髪と黒い瞳がエキゾチックでbeautiful!」

酔っ払っているのか、私の手をギュッと力強く握る。

「さ…さんきゅー」

私は引き攣った笑みを浮かべ、さりげなく手を交わす。

「でも珍しいね。日本の建設会社でディナーに女性を連れてくるなんて」

女性がいるお店にはよく連れてってくれるけどー、なんて言ってニコラスは陽気に笑う。

まさか英語が話せる人が私しかいませんでした…と言える訳もなく、私は東洋の微笑みアルカイックスマイルで交わす。
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