強引上司と過保護な社内恋愛!?
私が思いっきり眉根を寄せて不信感満載な視線を向けると、伝えたと思ったけどなー、なぁんて言って桧山さんはすっとぼける。

「私はご年配の赤毛の方がてっきり大使かと…」

「彼は秘書だよ」

私はうそ!と言って大きく目を見張る。

ニコラスは確かに気品が溢れていると思ったが、まさかの大使とな!

「まーまーいいじゃないか。とりあえず上手く行ったんだからさ」

桧山さんはポンポンと私の肩を叩きながら、気楽に言ってのける。

いつもの感じに戻ったみたい。

「でも…パーティーに誘われただけで、お仕事の具体的な話しは出てませんでしたけど」

桧山さんはチッチと舌を鳴らし立てた人差し指を横に振る。

「今度のパーティーにお知り合いを連れて来るように言われただろ?あれはデベロッパーを紹介しろって事だよ」

「ええ?!そうなんですか?!じゃあ…」

「コンペ前に顔合わせをすれば、他社を一歩出し抜く事が出来る。やったな、田母神」

桧山さんはニヤッと不敵な笑みを浮かべた。

「よ、良かった…」

桧山さんに脳を揺さぶられたせいか、気が抜けたせいか、恐らく両方の理由でアルコールが一気に回って目眩がする。
< 109 / 360 >

この作品をシェア

pagetop