強引上司と過保護な社内恋愛!?
膝から崩れ落ちそうになると、桧山さんが咄嗟に腰に手を回して支えてくれた。

必然的に抱き合うような体勢になる訳だけど、目眩が治るまでは桧山さんの胸を借りる事にした。

「さんきゅーいずみん」

桧山さんはどさくさに紛れて、もう一方の腕で更に私を抱き寄せて身体を密着させる。

「あの…調子に乗らないでください」

「今だけは乗らせて」

桧山さんに耳元で囁かれると余計にクラクラしてくる。

早鐘のように脈打つ心臓の音が服越しにもハッキリ聞こえてくる。

胸に顔を埋めると仄かにフルーティーなコロンの香りがした。

その時ガラリと表門の開く音がした。

慌てて顔を上げると、白倉さんが目をまん丸にして此方を見ている。

「あの…いや、これは…」

桧山さんは咄嗟に言葉が出てこないようで口籠る。

「ごゆっくりー」

白倉さんは意味深な笑みを浮かべるとそのまま表門をそっと閉じた。

どうやら完璧に誤解されたようだ。

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