強引上司と過保護な社内恋愛!?
「髪の毛をハーフアップにしたら女性らしい華やかな感じが出ると思うんですよね」

女子トイレの鏡の前で加奈ちゃんは手際よく私の髪をカールさせる。

逆毛を立ててトップにふんわりボリュームをもたせ、サイドの髪を捻ってピンでとめていく。

「うん、いい感じっす」

巻かれた髪は華やかだけど、ハーフアップにすることにより、顔周りがスッキリしていて上品にまとまっている。

「これで赤めのリップを塗ったら、いいと思いますよ」

「あ、ありがとう」

加奈ちゃんはニコリと満足気に笑う。

「私は仕事に戻りますね。後はゆっくり化粧直しをしてください」

「今度ランチでもご馳走させて」

そんな気を使わないでくださいよー、と笑いながら言って加奈ちゃんは席に戻っていった。

流石キラキラ女子。

綺麗になる術に長けている。

これで少しは地味が返上できるかな、なんて浮かれつつ、化粧直しをしていると、営業企画部の感じが悪い女子石川さんとその取り巻きがデッカいポーチを片手に持ちながらトイレに入って来た。

漫画だったら完璧顔に縦線が入っているだろう。

思わず端に避けると、石川さん達はデッカいポーチを広げて鏡の前を占領する。

鏡越しに様子を伺うと向こうも怪訝な顔をしてコソコソ小声で話している。
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