強引上司と過保護な社内恋愛!?
は、早く化粧直しして出て行こう…

慌ててファンデーションを顔に塗る。

買って来たアイシャドウをつけて、いつもより赤めのリップを塗る。

「わー、男の気を引くのに必死」

辛辣な言葉に驚いて振り向くけど、石川さん達はどこ吹く風。

澄まして乾燥防止のミストを顔に吹きかけている。

私は何か言い返してやりたいけどショックのあまり上手い言葉が見つからない。

「逆に引きますよね」

取り巻きは馬鹿にしたようにクスクス笑う。

私は化粧品をポーチにしまうと慌ててトイレを立ち去った。

何であんな酷いこと言われなきゃいけないの?!

何一つ言い返せない自分が惨めになって、思わず目に涙が浮かぶ。

俯きながら廊下を歩いていると「お!ラスカル!」とデッカい声で呼び止められた。

振り向くと桧山さんが外出から帰ってきたところだった。

最悪…今一番こいつに会いたくなかった。

「何だよ、髪の毛ふわふわさせちゃって。レセプションに備えておめかししちゃったか?」

ニヤニヤ笑って冷やかしながら私の顔を覗き込む。

泣きそうになっているのを見られたくなくて慌てて顔を背けた。
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