強引上司と過保護な社内恋愛!?
「綺麗にするのも仕事の一環」

戸惑う私の反応がお気に召さないのか、桧山さんは憮然とした様子で言う。

「だったら後でお金を払います!」

頑なに譲らない私を見て、桧山さんは肩で息を吐く。

「いらないよ。お金なんて」

「そんな!タダで貰う訳には行きません!」

「勿論あげないよ。タダじゃ」

そう言って桧山さんは私頬に左手を添える。

「この間の続き、させて?」

鼻先まで顔を近づけておねだりしてくる。

「え?今ここで?」

ここは…会社。

それに会議室に鍵はついてないのでいつ誰が入ってくるか解らない。

「うん、今、ここで」

もう一方の手を腰に回して私の身体を引き寄せる。

「誰かに見られちゃうかもしれませんよ」

「スリルがあっていいだろう?」

桧山さんはニコリと微笑む。

…変態だ。

「駄目です!また変な噂が立っちゃいます!」

「別に構わない」

いやいやいや、私はもんの凄く構う。

また意地悪されたらたまらない。

あんな目に遭うくらいならスカーフなんていらない。

「これ返しま…」

といい掛けた時にフルーティーなコロンがふわりと香る。

ああ、いい香り。

なあんて思っているうちに、唇が塞がれた。
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