強引上司と過保護な社内恋愛!?
大使館前で待ち合わせていた立岩地所の方々と合流する。

先方も三名で来たようで全て男性だった。

一人は50代手前の上席と思わしき男性、そして桧山さんと年端の変わらない眼鏡をかけたひょろりとした地味な男性と、髪をツンツン立てた背の高い好生年風の男性だった。

セキュリティに招待状を見せてゲートをくぐると緑に囲まれた敷地内に脚を踏み入れる。

中は公園のような広々とした庭園が広がっていた。

「6,000㎡くらいはありますかね」

桧山さんが辺りを見渡しながら言う。

「周辺の環境を見ても10階以上は確実に建てられそうですね」

立石地所の方々と早速土地の査定を始めているらしい。

でも…なんか…もったいないな。こんな綺麗な景観を潰してビルを建ててしまうなんて。

ゼネコン側の人間なのにこんな風に思うのはいかがなものかと思うけど。


大使館建屋は山間にあるレトロなお屋敷のような風情のある佇まいだ。

可愛らしくて立て直すことが余計に勿体なく思える。

私達は着ていたコートを脱いで中に入って行く。

桧山さんはネイビーのスーツにブラックのタイを締め、シャツの色に合わせて白のチーフを胸ポケットから覗かせている。

松井課長は大花柄のラップワンピースに黒のジャケットを羽織り、コートを脱いでもゴージャスだ。



< 148 / 360 >

この作品をシェア

pagetop