強引上司と過保護な社内恋愛!?
エントランスは広々とした吹き抜けになっている。

築50年は有に超えているため、きらびやかな印象こそないものの、調度品やインテリアは重厚感があってどれも何だか高そうだ。

床には一面大理石が敷き詰められている。

物珍しくて辺りをキョロキョロ見渡していると、気品溢れる人が手を振りながらこちらに向かって歩いてくる。

「イズミ!」

ニコラス大使だ。

本日は三つ揃えのブラックスーツを身に纏い、長めのブロンドヘアーを後ろに流し形のよい額を出している。

彼の為に設えたであろう身の丈にピッタリ合ったシンプルなスーツが、より完璧さを引きたてていた。

ボルゾイはやっぱり気品が違う。

私はうっとりと溜息をつく。

「本当その目やめろ」

桧山さんが横から恨みがましい視線を送ってくる。

「よく来てくれたね、イズミ」

ニコラスは甘い笑顔を浮かべて私の手の甲にキスをする。

「ご招待いただきありがとうございます」

私は折り目正しく一礼する。

「イズミに館内を見てもらいたいと思っていたんだよ」

手を握ったままジッと見つめられるとライトブルーの瞳に吸い込まれそうになる。

「本日お連れしたメンバーのご紹介をさせていただきますね」

桧山さんは強引に私とニコラスの間に割って入ってきた。
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