強引上司と過保護な社内恋愛!?
「それにしてもさっきの発言は何なんだよ!ヒヤっとしたぞ?」

応接室でのKY発言を叱責し、桧山さんは眉を吊りあげる。

「す…すみませんでした。つい…」

話しを聞いていませんでした…なんていったら更なる逆鱗に触れそうなのでそこは黙っておいた。

肝心な日に失敗ばかりして、私はガックリ項垂れる。

「まぁ、それで先方の要望を引きだすことが出来たからよかったけどさ」

ひざ掛けの下で桧山さんはそっと手を握る。

繋いだ手からじんわりと伝わる温もりが心地よくて私は指を絡めて握り返した。

「この後さ、うちで飲みなおさない?」

桧山さんからの思いがけないお誘いに、口に含んだワインを吹き出しそうになった。

「へ…?は…?」

私は間抜けな顔で聞き返す。

「ヤダ?」

桧山さんは丸い目でじっと私を見つめる。

正直、この顔には弱い。

「あ、明日は会社だし…」

私は赤くなってモゴモゴと口籠る。

「じゃあ、一旦泉の家に荷物を取りに行ってからうちに行けばいいじゃん」

「え…でもいいの?」

女性は部屋に連れ込まない主義なんじゃないの?

なんて聞けないけどね。
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