強引上司と過保護な社内恋愛!?
「じゃあ、そろそろお暇しますね」

私は鞄を持って席を立つ。

無事な姿を確認出来たので、これ以上長居は無用だ。

「え…もう帰るの?お前ホントに何しに来たんだよ」

桧山さんはギョッとして私を見上げる。

「お見舞いは病人の体調を気遣って早めに切り上げるのがセオリーですので」

「相変わらず空気が読めないな、マニュアル女」

病気にも関わらず憎まれ口をきいてくる。

チラリと横目で一瞥し「お邪魔しました」と言って玄関に向って一歩を踏み出そうとすると、不意に手を掴まれた。

「もうちょっと…いてよ」

桧山さんはボソっと呟く。

驚いて振り向くと、桧山さんは目を伏せる。

照れているのか風邪のせいか、その頬は仄かに赤く染まっていた。
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