強引上司と過保護な社内恋愛!?
「おい、何だよこれは」

テーブルの上に並んだ料理を見て桧山さんは大層不満気だ。

「夕飯ですが何か」

「これは?」

桧山さんは高級和牛のステーキを指差す。

「私の分です」

「これは?」

向かいに並んだ塩むすびとお味噌、糠漬けを指差す。

「桧山さんの分です」

「随分格差があるんじゃないか?俺と泉の住居くらい」

一言余計だ。

「桧山さんは病人なんですから、消化にいいもの食べないと。かたや、私は健康ですので好きな物を食べます」

和牛ステーキ用肉が激安スーパーで半額になっていたのでつい買ってしまった。

「本っ当空気の読めない女だな」

ブツクサ文句を言っていたけど、聞こえないふりをして無視した。

いただきます、と言って私は和牛ステーキに箸をつける。

一口食べると柔らかくてとってもジューシー。

いつも食べている固いお肉とはヤッパリ一味違う。

「おいしー」

思わず頬が緩んでしまう。
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