強引上司と過保護な社内恋愛!?
「てっきり、嫌われたかと思いました。レセプションの夜出しゃばった真似をしてしまったので」

そんな事ないぞー、なあんて陽気に笑い飛ばしてくれるかと思ってたけど、桧山さんは黙り込む。

ま、まさか本当に嫌いになったとか…。

「あの事はもういいよ…」

桧山さんはぶっきらぼうにボソっと呟く。

何それ。

私がどれだけその事でウジウジ悩んだ事か。

其れをそんな一言であっさり片付けようとするなんて!

私は両頬をぶにっと手で挟み、強制的に上を向かせる。

「全然良くないです!桧山さん滅茶苦茶怒ってたじゃないですか!あんな態度取られたら滅茶苦茶気にしますって!」

桧山さんはせめてもの抵抗のつもりか横目で視線を逸らす。

「お…怒ってるのは泉のほうじゃないか」

「私が怒ってるのは桧山さんのそのはぐらかそうとする態度です!」

私は興奮のあまりググッと顔を近づける。

今にもキスをしようという恋人達のような距離だけど、其処に甘い雰囲気は皆無だ。

「だって…恥ずかしいじゃないか」

「は?」

私は思いっきり眉根を寄せる。

「この歳になって親にあんな風に言われてるなんて格好悪すぎだろ」

桧山さんは顔を真っ赤にする。

恐らく熱のせいでは、ない。
< 207 / 360 >

この作品をシェア

pagetop