強引上司と過保護な社内恋愛!?
「お疲れ、泉さん」

キッチンを担当している祐樹くんがクスクス笑いながらお通しのピンチョスを出してくれる。

「ありがとう。祐樹くん」

つるピチなお肌にくっきり二重の大きな目。

背が高く手足が長い抜群のスタイルに、流行りの無造作ヘアがよく似合っている。

聞くところによれば齢25歳だとか。

ああ…癒されるわ。

このバルに来るもう一つのお目当は彼の笑顔だったりする。

「お前、俺の時と態度違い過ぎるだろ?」

厳つい坂田がすかさず突っ込んで来るが「そうかしら」と、さりげなく交わす。

子持ちのおっさんに愛想を振りまくほど体力はない。

坂田はとおっくの昔、20代前半で結婚して現在ボーイズ2人のパパである。

酒屋もバルも立派に切り盛りしていて、いつまでも独身で仕事もイケてない私とは大違い。

思わず、ぶはあ、と盛大なため息が出る。

「ため息なんてついちゃって、わくわく動物園で何かありました?」

祐樹くんは、くるりとした目を好奇心で光らせる。

「パワハラにあいました…」

私はふと今日の出来事に思いを巡らせる―――
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