強引上司と過保護な社内恋愛!?
「で、どうなんだ?新しい部署は?」

カウンターに立つソフトモヒカンの厳つい髭面が、シャンパンの入ったグラスを置く。

私は顎を上げて、冷えたシャンパンを一口飲む。

「最悪よ」

くっきりと眉間に縦皺を作ると、あははー、と笑い飛ばされた。

「まあ、飲めよ」シャンパンをグラスに注ぎ足してくれる。

「さんきゅー坂田」

この髭面、もとい坂田遼平とはかれこれ、28年の付き合いになる。

ファーストコンタクトは春日第一保育園のたんぽぽ組だったのでもはや記憶がない。

所謂幼馴染ってヤツだ。

坂田は生まれ育った春日町で親の酒屋を継ぎ、副業として3年前からこのサカタバル、通称サカバルをオープンさせた。

カウンターとテーブルが数席だけの小じんまりした店構えだが、木材の家具やブラウンカラーをベースとした内装は小洒落ていて、落ち着いた雰囲気。

コストパフォーマンスも良いのでなかなか流行っている様子だ。

人と話したくなると、サカバルにフラリと立ち寄る。

家に帰っても話す人がいないからね…。
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