強引上司と過保護な社内恋愛!?
「う、嘘…桧山さんが?」

ほんとほんとー、と真奈はお気楽に言ってのける。

「うちの部長が営業本部から引き抜くって息巻いてたもん」

桧山さんが…海外事業推進部に盗られる…?

「だめ!絶対だめ!うちのエースなんだから!」

私は勢い余って席を立つ。

真奈はチッチと舌を鳴らし、箸を横に振る。

「桧山さんは今回メカニカルエンジニアで志望して来たの。機械部での実績は十二分にあるし、その上営業本部のエースならスケジュール管理や調整もお手の物。そして驚くなかれTOIECスコアは社内No.1」

話しているうちに興奮してきたのか、虚ろだった真奈の目に生気がみるみる湧いてきた。

「絶対他所にはやらないわ!」

私はテーブルの上に勢いよく手をつく。

「まさに彼は今回の案件にうってつけの人材。絶対うちがもらう!」

ムキになって言い返してくる真奈が本気で憎らしくなってくる。

「それにお父様は外務省の審議官ですから。海外に進出を検討している我が社にとってまたとないコネクションになる」

「何で…真奈が知ってるのよ…」

しかも、私よりも詳細情報だし。

「本人は隠してるみたいだけど、上の人たちの間では結構有名らしいよ。まさか泉、知らなかったとか?」

得意気に言う真奈にイラっとする。
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