強引上司と過保護な社内恋愛!?
最寄り駅に到着し、PASMOをかざし改札を抜ける。

もんの凄く憂鬱で一杯飲んで帰りたい気分。

本当はサカバルに寄って行きたいけど、佑樹くんとあんな事があった後だと行き辛い。

重い足取りで、私は駅前商店街を歩いて行く。

後ろ髪引かれる思いで、サカバルの前を通り掛かると「泉さん」と声を掛けられた。

振り向くと仔犬系腹黒男子が裏路地からひょっこり姿を現した。

手に煙草を持っているので、外に出て一服していたようだ。

「久しぶり。全然店に顔だしてくれないから寂しかったよ」

ゴミ箱の上に置いてある灰皿に煙草の火を押し付けて揉み消すと、私の側までやってきた。

「吸うんだ、煙草」

爽やか好青年だと思ってたから少し意外。

腹黒いのはそれ以上に意外だったけど。

「うん、もう20歳超えてるから」

佑樹くんはニコリと人懐っこい笑みを浮かべる。

「此処で会ったのも何かの縁。寄ってってよ」

私は警戒の視線を向ける。

「浮かない顔して歩いてたって事はまたなんかあったんでしょー。あの俺様男と」

図星を突かれて私はグッと黙り込む。

「良かったら話し聞くよ。男目線でのアドバイスして欲しくない?」

…男目線。

それは確かに惹かれるものがある。

「じゃ、決まりー」

佑樹くんはご機嫌に言うと私の腕を引っ張ってサカバルへ強制連行した。
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