強引上司と過保護な社内恋愛!?
ストップ、と言って俺は途中で遮った。

「あのさ、俺は面接官じゃないからもうちょっと軽い感じで教えてくれればいいからさ」

はあ、と言って、田母神さんは眉間に皺を寄せて困惑してる。

その時俺は悟った。

ああ、そうかこの女学生はメチャクチャ緊張しているんだ。

落ち着きはらって見えていたのは緊張でガチガチに固まっていたからなのだろう。

それこそ辺りの様子を気にする余裕もないくらい。

「あの…では桧山さんは何故この会社に入社されたんですか?」

おっと、そう来たか。

まさかの質問返し。

改めてそんな事を聞かれて、真面目に答えるのは少し恥ずかしい。

しかし、田母神さんは真剣そのもの。

澄んだ黒目でジッと俺を見据えている。

「強いて言えば、デッカい物を作ってみたいと思ったからかな」

田母神さんは、デッカいもの?と聞き返し首を傾げる。

「例えば俺に子どもが出来て、お父さんってどんな仕事をしてるの?とか聞かれた時に、Googleマップで自分の作った橋とかビルとか空港とかを見せて『これは俺が作ったんだ』とか偉そうに言ってみたい」

自分で言ってて稚拙だな、と思いつつも本当にそう思っているだから仕方ない。

さすがの女子大生にも呆れられるだろう。

「確かに、素敵かも」

そう言って田母神さんは目元を柔らかく綻ばせた。

意外なリアクションに鼓動が大きく跳ねる。
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