強引上司と過保護な社内恋愛!?
よく言うわ。

年増で口うるさい私を厄介払いしたかったくせに。

「はあ」と覇気のない相づちを打つのが精いっぱいだった。


会議室から出て行き自分のデスクへ戻るやいなや、後輩の佐伯さんが不安満載の目で私の様子をジトっと見つめてくる。

「泉さん…どうしでした?」佐伯さんが恐る恐る尋ねる。

「異動だってさ、営業本部…」

私がボソリと呟くと、なんたる絶望…と言って佐伯さんはがっくり項垂れた。

そりゃそうだ。

私がいなくなればきっと全ての皺寄せは彼女に行ってしまう。

新しい人が入っても指導するのは彼女の役目。

「マニュアルは全て作っていくから、さ」

だから、頑張って。後は貴方に託す。

そう言う代わりに佐伯さんの肩にそっと手を置いた。
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