強引上司と過保護な社内恋愛!?
ベベックは恐れ多くもデラックスホテルの車寄せにポンコツ車を停車させる。

車から降りると、S字を描くように少し湾曲したアプローチを通りエントランスへ向かう。

ホテルのロビーも外観と同様に白を基調としていて、壁も床も真っ白だ。

所々にダークウッドの素材がアクセントとして使われていている。

今バリで話題のデザイナーズホテルだとベベックが説明してくれた。

ソファーに腰掛けていたヒヤマが私達に気がつき、立ちあがって手を振る。

「ひやまさーん!」

私はパタパタと駆け寄っていく。

「着替えたの?泉」

「早速南の国に染まってみました」

ドレスのすそを摘まんで広げて見せると、桧山さんは目元を綻ばせる。

「良く似合ってる」

桧山さんも一旦家に戻って着替えたようだ。

白のコットンシャツに黒い細身のパンツを合わせて、素足にネイビーのデッキシューズをさらりと履いている。

無精ひげもきちんと剃っていて、伸びた長めの髪を後ろに流し形のよい額を出している。

きちんとして清潔感のある恰好だけど、日焼けした肌は男っぽさを醸していて、営業本部時代よりも魅力が倍増だ。
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