強引上司と過保護な社内恋愛!?
「メンツが足んねーなあ。おい!伊藤!小原!こっちこい!」

桧山さんに呼び出され、班員のメンバー巨漢の伊藤さんと、いかにも体育会系出身といった身体のデカイ若者がのっそり立ち上がる。

前に出てくると私たちの横に並んだ。

五十嵐さんも背が高いので、女性では割かし背の高い165cmの私でも大型動物達に囲まれると小柄に見えてしまう。

「あと1名はお二人で指名してくださーい」

「そんなんお前に決まってんだろ?言出しっぺ」

五十嵐さんが不機嫌そうに言うと、あ、やっぱ?と言って桧山さんがヘラリと笑う。

各自に温燗が入った徳利が一本づつ配られた。

「ルールはいつもと同じ。一気に飲み干したら、徳利を頭の上で逆さにしてください」

ああ…なんだ、日本酒の一気飲み対決か。

一芸披露でもさせられるかと思ったからヒヤヒヤした。

「おいおいおい、大丈夫かよ?ミスパーフェクト!目ぇ回してぶっ倒れてもしらねーぞ!」

私を冷やかす野次が飛ぶと一斉に笑いが起きた。

まったく営業本部の学生ノリには呆れてしまう。

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