強引上司と過保護な社内恋愛!?
「そのうえ独身だし外面がいいから、他所の部署の女子からはすっごく人気がるみたい。営業グループの王子様なんだから」

美樹さんが言うと、知らぬが仏ですよ…、と呟いて加奈ちゃんはカシスオレンジを舐めるようにチビリと口に含む。

「泉さんも気をつけてくださいね?天使みたいな顔して鬼畜ですから、この男は」

加奈ちゃんの冷ややかな物言いに背筋がゾクリとした。

「あの…何かあったの?桧山さんと」

加奈ちゃんは、おっさんみたいな渋い顔をする。

「やぁめてくださいよぉぉぉぉ!」

身体を仰け反らさて手をブンブンと横に振った。もんの凄い嫌がりようだ。

「嫁入り前の身体に消えない傷をつけられるじゃないですか!大体私同棲中の彼氏がいますしね!」

某大手証券会社にお勤めの証券マンという要らぬ情報まで教えてくれた。

「私は大丈夫」

「本当ですかあ?うっかりイケメン、とか思っちゃったんじゃないっすか?」

加奈ちゃんはあっさり言ってのける私に疑いの眼差しを向ける。

そりゃうっかりイケメンと思ってしまったのは否めない。

だけどそこからの下げ幅が半端ない。

株価ならストップ安だ。

「私声が大きい人は嫌いなの」

「なるほど」加奈ちゃんはもっともらしく大きく頷く。

どうやらご納得いただけたようだ。
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