強引上司と過保護な社内恋愛!?
「桧山…さん!しっかりしてください!」

長身の桧山さんが、だらりと力なく私の肩に寄り掛かっている。

腰に手を回して引きづりながら、私は店から死体と化した桧山さんを連れ出す。

なんなんだ…こいつは。

酔ってはしゃいで潰れて。

こんな人に迷惑を掛けるなんてどんだけヤンチャなんだ。

ズルズルと引きづりながらなんとか通りに出てタクシーを拾う。

後部座席のドアが空いた瞬間に桧山さんを押し込んだ。

「どちらまで?」

運転手さんに尋ねられて私はハッとする。

桧山さんって、何処に住んでるんだろう。

「チョット!いい加減起きなさいよ!」

力任せにゆさゆさと身体を揺すってみるけど、

桧山さんは可愛い顔でスヤスヤと健やかな寝息を立てて眠っている。

どうしよう。全然起きない…。

しかも着任して間もないので営業一課のメンバーの連絡先は誰1人として解らない。

あ、でも桧山さんのプライベート番号は知ってるんだっけ。

って、おい!酔いつぶれてる張本人だし。

なぁんてお寒い一人ノリツッコミを頭の中で繰り広げる。

不測の事態に直面し、パニックに陥っている。

「で、どうすんの?お客さん」

タクシーの運転手さんは訝しい視線を向けて来る。

わたし…超ピンチ…

ゴクリと生唾を飲み込んだ。
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