強引上司と過保護な社内恋愛!?
「木彫りを火に焚べるか」

桧山さんは紙コップに入ったブレンドコーヒーを一口飲む。

営業会議が終わった後、本社1階に併設されたチェーン展開されているコーヒーショップで桧山さんと一息入れる。

所謂…サボりだ。

しかし営業会議のディープインパクトの後では、直ぐに気分を切り替えられないので丁度良い。

「小日向さんにも家庭の事情があったんです」

しかも、小日向さんを陰で木彫りって呼んでるのをなんで知ってるんだろう。

私は苦々しい気持ちでカフェラテを一口飲む。

「でも公営住宅の住民をどうやって説得したんですか?何カ月かかっても絶対立ち退きしなかったのに」

「説得しに行った…油圧ショベルとブルト―ザ―を同行させて」

白いメットを被りながら黄色い建設機材を背後に引き連れて、悪魔の笑みを浮かべる桧山さんが瞬時に頭に浮かぶ。

「それって…脅しじゃないですか?訴えられません?」

私は眉を顰める。

「何で?こっちは正式な工事許可を貰ってんだぞ?」

それは…そうなんだけどさ。

桧山さんは微塵の後ろめたさもなく言って退ける。

やっぱり正攻法ではなく、力技で解決したようだ。
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