強引上司と過保護な社内恋愛!?
しょうがないじゃん…。

加奈ちゃんみたいに可愛かったらおねだりも出来るかもしれないが、身長165cmというデカい図体で無愛想、そして三十路という三重苦の私がそんな甘えた事を抜かすなんて、世間が許さないだろう。

「行くぞ」

前を歩く背筋のピンと伸びた後ろ姿を私は慌てて追いかけた。


◆◇◆

桧山さんが連れて来てくれたのは、東京駅から有楽町方面に5分ほど歩いた商業施設内にあるイタリアンレストランだった。

本日訪問予定の営業先は、お店から徒歩15分ほどのところにあるため、近すぎず遠からず丁度よい距離だ。

店内のインテリアも白を基調としており、広々としてスタイリッシュな雰囲気。

天井も高く、一面がガラス張りになっているので明るく開放感がある。

私達は傍から見れば一応男女という組み合わせなので、無駄にムーディーな窓際の席へと通された。

「なんか意外です」

メニューを開きながらボソリと呟いた。

「そうか?」

桧山さんはさして気にも留めない様子で言う。

ガサツな桧山さんが、こんな小洒落たお店をチョイスするとは。

てっきり居酒屋のワンコインランチにでも連れて行かれるかと思っていた。

そうゆうのも嫌いじゃないけど。

私は『鶏もも肉のローストバルサミコソース添え』とやらを、桧山さんは『渡り蟹のトマトクリームパスタ』をそれぞれぞれオーダーする。
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