桜の約束
「ただいまー」
「おかえり、今日は遅かったね」
「うん、ちょっと寄り道」
家に着くと、おかえりと母の声。
晩御飯の準備中みたいで
キッチンの方からいい匂いが漂う。
お、この匂いは多分ハンバーグかな。
2階に行き
帰るとすぐ自分の部屋に行き勉強…だが
今日はちょっとそんな気にはなれない。
ベッドにゴロンと寝転がり考え事をする。
「春香ちゃん送らなくて大丈夫だったかなぁ…」
ちょっと心配。
明日も会おうって言われたけど
春香ちゃん入院してるんじゃ…。
病気は大丈夫なのだろうか。
んー、でもまぁ…不思議な出会いもあるものだなぁ。
もともとあの桜の木の下は
1人になるための場所と認識していたから
あの場所で友達ができるのは不思議な気持ちがした。
「啓斗ー、ご飯できたよ」
「はーい」
お母さんが1階から呼ぶ。
考え事をしてたらご飯ができたみたい。
とりあえず考えるのやめて明日会って色々話せばいいか。
