without you
「おまえは毎年“プレゼントはいらない”って言うからよ。今年は強制だ。って言うより、ちょうど思いついたってのがホントのところなんだが。別にさ、おまえにバースデープレゼントやるのに、理由なんかいらねえだろ?」

受け取った箱をじっと見ているだけの私に、社長は言い訳を言うようにあれこれ言っている。
これじゃあまるで、プレゼントをくれた社長が、何かいけない事をしたみたいじゃないの。

私はただ、驚いて、嬉しくて・・・泣きそうになってるだけなのに。

それでも私は、頑なに箱を見たまま、「開けてもいいですか」と社長に聞いた。

「もちろん。それはおまえのだ」と社長が言ってる間に、私はリボンがついたままの包装紙をビリビリ破いて、気が急くように、それを開けた。

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