without you
結局、メイクはしなかった。
ダテ眼鏡は、かけないでおこうと思ったけど、気が変わってかけることにしたのは、これもいざというとき、武器として使うことができるから。
それに、変装の“足し”程度には、なってるかもしれないし。

ノートパソコンを、ハンマーで叩き壊して、中にあるチップを取り出した私は、ひとまずそれを、ズボンのポケットに入れた。
パソコンの残骸は・・ひとまずこのままでいい。

ミス・ヘッジホッグを入れても、ボストンバッグの重さは、今までと変わらないことに、少しだけホッとした私は、誰もいない家の中に「いってきます」と呟いて、鍵を閉めた。

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