without you
・・・近い。
社長は、私のすぐ後ろまで来ている。
彼の笑った声が、私の髪をくすぐるくらいに。
彼の体の熱さを感じるくらいに。

でも、社長は私を抱きしめることはおろか、触れようともしなかった。
・・・怒ってるのかな。
私が何も言わずに下に降りて来たことを。
でも。
この人だって私同様、あまり寝てないから、寝てるところをわざわざ起こしたくなかったし。
その辺はこの人も分かってるはず・・・あ。
もしかしたらこの人は、私が急にいなくなったと思って、不安になったのかな。

彼は待ってる。
私から仕掛けるのを。
だったら・・・。

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