without you
この人に背後から抱きしめられて、くっつけられるだけピッタリと体をくっつけられて。
彼の体から発せられる熱をジンジン感じる。
背中がすごく熱い。

でも、この熱は彼の素の想い。
だから全然不快じゃない。
むしろ直に伝わるこの想いは、とても・・心地いい。

私は引き続き、彼の熱い体に、自分の体を預けた。

「・・・まだ」
「ん?」

耳に彼の吐息を感じる。くすぐったい。

「まだあなたのこと・・“じゅんせいさん”って呼んでも・・・いいですか」
「もちろん」

・・あ。今純世さん、笑顔になった。

「仕事中でもいつでも、俺のことは名前で呼んでくれ」
「そんな・・・」

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